植物遺伝資源(種子など)収集から配布まで

 業務内容
ジーンバンク

植物遺伝資源の重要性

 今,植物遺伝資源は急速に消滅しています。地域に固有な種や品種は,その土地・気象条件や食生活等に適応して作られてきました。しかし,社会情勢や経済性に適合しなくなり,特定の近代品種に取って代わられつつあります。例えば,水稲のこしひかりは,ほぼ全国で作られており,その結果として,従来の品種は顧みられなくなったり,消滅したものもあります。
 しかし,これらの古い品種には,収量,耐病性,環境適応性に優れ,色や形,独特の風味や特徴を有するなど,なんらかの優れた性質をもっているものが多くあります。
 バイオテクノロジーの新しい展開は,野生食物や在来品種のもつ有用な遺伝子を現代品種に導入できるなど,従来では不可能であった新品種育成を可能にしつつあります。植物遺伝資源の重要性はますます高まっています。

農業ジーンバンクの役割と運営

 

 農業ジーンバンクは平成元年12月に設立され,平成15年度からは県農業関係団体の統合にともない,財団法人広島県農林振興センターが行っています。
設置の目的は,地域戦略作物や新品種開発のための育種素材である植物遺伝資源を収集,保存管理するためで,広島県(農業技術センター)や県内の育種家,大学への遺伝資源の提供も行います。
 これまで,県内,県外はもとより,外国の遺伝資源や遺伝資源情報を積極的に収集し,長期及び短期貯蔵庫で保存管理しています。
 また,最近では地産地消の取組とともに在来品種が改めて見直されるなかで,農業ジーンバンクの種子を活用した地域特産品づくりなど県内の多くの生産者による種子の利用が増えています。

植物遺伝資源(種子など)収集から配布まで

収集 国内外の育成品種、在来品種、栽培植物の近縁野生種までを対象として、収集受入れを行います。(皆さんの身近に古い作物や品種があれば身近な資源として保存管理し、利用させていただきます。)
分類・特性評価 収集した種子を分類し、個別に形態的特性、耐病性、収量などの特性評価を行います。
情報管理 収集保存する遺伝資源の来歴や特性など、各種の情報を整理し、検索利用可能なシステムを整えます。
保存 特性評価や発芽試験を行った種子は十分に乾燥し、−1℃の配布用保存と−10℃の永久保存に分け貯蔵庫に保存します。
配布 県内の試験研究機関、大学、育種者などは、新品種の育成に利用できます。一般の人達でも地域活性化の材料として使うことができます。
ジーンバンクで保存している種子の配布をご希望の方は、各地域事務所農林局地域営農課にお問い合わせください。(※配布条件として、必ず配布した種子の量をジーンバンクに返すことになっています。)
植物遺伝資源配付規程

農業ジーンバンクで保存している主な広島在来作物


 〜「広島お宝野菜」で地域農業の活力向上を〜

 農業ジーンバンクが農作物の遺伝資源として保管している約5,000点の種子の中から,味が良い,珍しい,変った食べ方があるなどの貴重な品目・品種を探し出し,平成23年度末までに約150点程度を「広島お宝野菜」として選定し,生産者の皆様に種子を提供するとともに,流通関係者の皆様に紹介します。
 現在,種子の増殖に取り組んでいますが,基本的には,販売を目的として生産される法人や生産者グループ等を対象に種子を提供することとしています。
 詳しい内容については,「広島お宝野菜」をクリックしてください。